「重なり」

 

アスペルガー症候群、HSP、難読症、メニエル病、
坐骨神経痛、月経前緊張症、聴覚障害、
WPW症候群

今わかっているだけでもこれだけの症状が重なっている。


もしかしたら、私は人より生きるのが大変なのかもしれないと思う。
それでも、私は私以外の人になったことがないから、
自分が大変なのかどうかよくわからない。

ただ、正直いって、
発作が起こるとまったく動けなくなる
メニエル病にだけは参っている。

 

これはなにかの罰なのだろうか?
それとも乗り越えればその先に悟りか何かが開ける前の試練なのだろうか?

 

そんな風にどうして自分にはこれだけの症状が
重なっているのだろうかと考えていた頃、
木村秋則氏について書かれた本を読んだ。

 

木村氏は青森県で不可能だと言われた無農薬・無肥料による
りんご栽培を成功させた人だ。
挑戦し始めて8年間はりんごが一個もならなかったそうだ。
さまざまな試行錯誤と、貧乏や、
家族の言葉では言い表せないような苦労や、
周囲からの冷たい目などの向こう側に、
おそらく人類がなくしてしまっていた宇宙の叡智を再発見する。


自然農法といっても、そのままではなく、自然の力を知り、
それを補い、自然とともにりんごを実らせるすべを木村氏は見つけた。
木村氏とそのご家族は私が知る限り、
歴史上の人物をも含め、もっとも偉大な人達だと私は思う。

 

本を読み終わった深い感動の中、
私の中に「自然には何一つ無駄がない」と言う言葉が浮かんだ。
そしてそれが、私が知るべき真実だったのだと思う。

自然界にに生きるものは、鳥も花も虫も、

生きるのに必要な能力を持って生まれてくる。
鳥であれば生息する場所と、飛ぶ高さや生態によって、
足も嘴も羽も一つ一つ形が違う。
花も虫もその役割を果たすため必要な能力を持って生まれてくる。
そしてそれらは自分が他のものより抜きん出た存在になるためではなく、
何か得するためではなく、静かに自然界の一部に生まれ、
その役割を果たし、自然界の一部として命を終える為の能力だ。

 

だからこの私の症状も私にとって無駄なものは何一つなく、
特別な存在になるためのアイテムでもなく、
必要なものなのだと、自然に思えた。

 

それでも私はさらにその意味を考える。
この先に何があるのかを考える。
それは私だけのためになる何かではない。
名誉や、特別な力や、ましてや金銭でもない。

 

それが何か、
今はただ静かに痛みと言う体の声を聴きながら、
それを知るべき時を待っている。

 

 

 


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